第四章 一本ずつ手割りする理由

木には、一つとして同じものはありません。

まっすぐに育った木もあれば、節が多い木、木目が複雑な木もあります。

だからこそ私たちは、すべてを機械任せにはしません。

一本一本の状態を見ながら、人の手で割っていきます。

木目を読み、力を加える方向を見極めながら割ることで、木が本来持つ性質を活かしたに仕上げることができます。

このひと手間は、見た目を整えるためだけではありません。

乾燥しやすくなり、火がつきやすくなり、安定して燃えるにつながります。

使う人が気持ちよく焚き火を楽しめること。

薪ストーブで安心して使えること。

その時間を支える品質は、この一本一本の積み重ねから生まれます。

効率だけを考えれば、もっと早くつくる方法もあります。

それでも私たちが手割りを続けるのは、木と向き合い、最後までその価値を活かしたいと考えているからです。

一本のには、人の手だからこそ伝えられる想いがあります。

その想いが、炎の美しさや使いやすさとなって、お客様のもとへ届くことを願いながら、今日も一本ずつ丁寧にを割っています。