初心者はまず、ココから。『ジャパニーズ・ゆるオフグリッド』のススメ

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― 薪のある暮らしを、無理なく始める ―

「オフグリッド」と聞くと、山の中で電気も水道も使わずに暮らす生活を思い浮かべるかもしれません。けれど、日本で暮らす私たちがいきなりそこを目指すのは、正直に言って大きな挑戦です。土地の問題もあれば、お金の問題もあります。さらに日本は、梅雨があり、台風が来て、地域によっては雪も深い国です。

だからこそ提案したいのが、「ジャパニーズ・ゆるオフグリッド」という考え方です。今の生活をやめるのではなく、ほんの一部を“自分でまかなう”方向へ寄せていく。ゼロか百かではなく、少しずつ体験する。その積み重ねが、無理のない第一歩になります。

日本で無理なく始めるということ

日本の住宅は密集している場所も多く、煙や音に対して敏感な環境です。また、家に大きな設備を取りつける場合は、さまざまな決まりや近所への配慮が必要になります。だから初心者のうちは、「家の中を大きく変えること」は考えなくて大丈夫です。

まずは屋外で、小さく、安全に。やめたくなったらやめられる範囲で始める。それが長く続く方法です。

電気は“少しだけ”自分でつくる

小さな太陽光パネルと持ち運べる電池を使えば、晴れた日にためた電気を夜の照明やスマートフォンの充電に使うことができます。日本は梅雨や冬の日照不足がありますが、ゆるオフグリッドは「全部をまかなう」ことが目的ではありません。晴れた日は自分の電気、雨の日はこれまで通り。そうやって混ぜながら続けていくのが日本向きです。

この体験を通して、自分がどれくらい電気を使っているのかが実感として見えてきます。

薪は“外から”始めるのが基本

薪のある暮らしにあこがれる人は多いですが、日本でいきなり室内の薪ストーブを設置するのは初心者向きではありません。煙突工事や設置費用、煙の流れ、近所との距離など、考えることが一気に増えるからです。

まずは屋外で、小さな焚き火から始めてみましょう。庭やキャンプ場で、お湯を沸かすだけでも十分です。火を起こし、薪をくべ、炎が安定するまで待つ。その一連の流れを体験することで、薪という燃料の性格がよく分かります。

初心者に向いている薪とは?

薪にはいくつか種類がありますが、初心者が扱いやすいのは「広葉樹」と呼ばれる種類です。広葉樹は火持ちがよく、安定して燃えやすいという特徴があります。

具体的には、ナラやクヌギはとても人気があります。火が長持ちし、炎も安定しやすいため、ゆっくりお湯を沸かしたり、煮込み料理をしたりするのに向いています。カシも火持ちがよく、しっかりとした熱を出しますが、やや硬いため、扱うには少し力が必要です。

一方で、スギやヒノキといった針葉樹は火がつきやすい反面、燃え尽きるのも早い傾向があります。そのため、火を起こす最初の段階で使うと便利です。細かく割ったスギやヒノキを下に置き、その上にナラやクヌギを重ねると、初心者でも安定した火を作りやすくなります。

ただし、どの種類であっても「しっかり乾いていること」が最も重要です。水分を多く含んだ薪は煙が増え、近所トラブルの原因にもなります。購入する場合は「乾燥薪」と書かれているものを選び、できれば雨にぬれない場所で保管しておきましょう。

初心者向け・薪の具体的な使い方

最初の目標は、難しい料理ではなく「お湯を沸かすこと」に設定するのがおすすめです。金属製の小さなコンロや、筒状の簡易かまどがあれば十分です。地面が平らで、周囲に燃えやすい物がない場所を選び、必ず水を用意しておきます。

火をつけるときは、まず細い針葉樹の薪や着火材に火をつけます。炎が安定してきたら、少しずつナラやクヌギなどの広葉樹を足していきます。いきなり太い薪を入れず、火の様子を見ながら少しずつ重ねることが大切です。

お湯が沸くまでの時間は、電気やガスよりもゆっくりです。その時間を楽しむ気持ちが、薪との付き合い方をやわらかくしてくれます。

慣れてきたら、ご飯を炊いたり、スープを温めたりと少しずつ広げていけます。ただし毎日続ける必要はありません。週末だけ、天気の良い日だけと決めることで、無理なく続きます。

使い終わったあとの灰は、完全に冷えてから処分します。灰は長く熱を持つことがあるため、金属製の容器に入れて保管すると安心です。

日本で薪を使うときの心がまえ

日本では煙やにおいが広がりやすいため、風向きや時間帯に気を配ることが大切です。洗濯物が干してある時間帯を避けるなど、小さな気配りが安心につながります。

薪の保管も大切です。地面に直接置かず、すのこや木の台の上に積むと湿りにくくなります。屋根のある場所に置き、風通しを確保することで乾いた状態を保ちやすくなります。

ゆるく始めて、続ける

ジャパニーズ・ゆるオフグリッドの目的は、今の生活を否定することではありません。便利な仕組みを使いながら、「もしもの時も少しは自分でできる」という安心感を育てることです。

小さな発電、小さな焚き火、小さな水の循環。そのどれもが、今日から始められる範囲にあります。そして合わなければやめればいい。それくらいの軽さでちょうどいいのです。

まずはナラやクヌギの薪でお湯を沸かしてみる。炎を眺めながら、エネルギーが形を変える瞬間を感じてみる。その体験が、あなたの暮らしに新しい視点をもたらしてくれます。

無理なく、背伸びせず、日本の風土の中で。
それが『ジャパニーズ・ゆるオフグリッド』のはじまりです。

三島で、 一本ずつ手割りされた薪
ワークフェアの薪は、 静岡県三島市の就労支援事業所で、一本ずつ手作業で製造しています。

ワークフェアの薪は、静岡県三島市の就労支援事業所で、一本ずつ手作業で製造しています。

使用しているのは、建築用として人工乾燥されたヒノキ材。
乾燥状態が良いため火付きが良く、煙が少なく、初心者でも扱いやすい薪です。

また、虫が出にくく保管しやすいため、
ソロキャンプ
焚き火初心者
薪ストーブ
BBQ
など幅広いシーンで選ばれています。
“ただ燃やす薪”ではなく、
人の手と地域の仕事から生まれる薪を届けています。

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